転職活動で企業から「次の選考はAI面接です」と案内され、何を見られるのか分からず不安になっていませんか。営業として実績は積んできたものの、面接は久しぶり。しかも相手が人ではないとなれば、いつもの面接対策でよいのか迷うのも自然です。
対話型AI面接サービス「SHaiN」の導入企業が累計1,100社を突破しました。これは、AI面接が一部の先進企業だけの試みではなく、新卒・中途・アルバイト採用や社内評価へ広がっていることを示す材料です。この記事では、発表内容を整理したうえで、中途採用の応募者が経験をどう伝え、どんな点を企業に確認すべきかを具体的に解説します。
📄 SHaiN導入1,100社から分かる、AI面接が転職者にも身近になった理由
株式会社タレントアンドアセスメントは2026年9月9日、同社の対話型AI面接サービス「SHaiN」の導入企業が2026年7月に累計1,100社を超えたと発表しました。2026年3月の1,000社突破から約4カ月で100社増え、累計受検者数は延べ22万8,000人を超えたとしています。
ここで注意したいのは、1,100社は「累計導入企業数」であり、国内企業全体に占める普及率や、現在利用中の企業数を示したものではないことです。一方、中途採用での利用が導入用途の32.4%と発表されているため、転職者が選考中にAI面接へ出会う可能性を考えるうえでは無視できない数字でしょう。
| 発表された項目 | 数値・時期 | 転職者が読み取れること |
|---|---|---|
| 累計導入企業数 | 1,100社超 | AI面接が複数の業界・雇用形態へ広がっている |
| 1,000社到達 | 2026年3月 | その後も新規導入が続いている |
| 1,100社到達 | 2026年7月 | 約4カ月で100社増えた |
| 累計受検者数 | 延べ22万8,000人超 | 受検経験が特殊なものではなくなりつつある |
| 中途採用での利用 | 32.4% | 新卒だけでなくキャリア採用でも対策が必要 |
| 新卒採用での利用 | 36.5% | 若手・第二新卒は特に接する可能性がある |
| アルバイト採用での利用 | 21.1% | 正社員以外の選考にも利用範囲が広がっている |
同社は、SHaiNを新卒・中途・アルバイト採用だけでなく、昇格試験や人材アセスメント(=能力や適性を一定の基準で評価すること)にも利用できると説明しています。転職後も似た仕組みが配置や登用に使われる可能性があるため、応募者にとっては「選考を突破するためだけの特殊な話し方」を覚えるより、自分の行動や判断を筋道立てて説明する力を磨くほうが長く役立ちます。
💡 AI面接対策の中心は、模範回答の暗記ではありません。仕事上の判断、行動、結果を、初めて聞く相手にも分かる形で説明できるようにすることです。
📄 AI面接対策では「流暢さ」より経験の再現性を整える
確認できた事実:SHaiNは、独自の面接手法を基にAIが質問し、回答内容をテキスト化して評価レポートを作成するサービスです。2025年12月に提供された次世代版では、対話中の傾聴機能が強化され、従来の資質評価に加えて、コミュニケーション能力、主体性、チャレンジ精神、協調性、誠実性を含む複数のコンピテンシーも扱うと説明されています。コンピテンシーとは、仕事で成果につながる行動の特徴のことです。
Career Central AI編集部の分析:この仕組みを踏まえると、「御社に貢献したいです」と結論だけをきれいに話すより、どのような状況で、何を課題と捉え、なぜその行動を選び、結果から何を学んだかを説明するほうが準備として合理的です。AIに好かれる言葉を探すのではなく、第三者が検証できる具体性を増やすイメージを持ってください。
たとえば営業職の「新規開拓を頑張りました」という回答では、本人の役割や工夫が分かりません。「既存顧客への依存度が高いチームで、新規商談を月5件増やす必要があった」「失注理由を分類し、業界別の提案資料を作った」「3カ月後に商談化率が何ポイント変わった」と分ければ、行動の背景が伝わります。数値が手元にない場合は無理に作らず、「前年より増えた」「チーム内で上位だった」など、確認できる範囲で表現しましょう。
経験を整理するときは、STARの順番が便利です。STARとは、Situation(状況)、Task(課題・役割)、Action(行動)、Result(結果)の頭文字を取った整理方法。さらに中途採用では、最後に「Learning(学び)」と「Application(応募先での再現方法)」を加えると、過去の自慢話で終わりません。
回答を長くしすぎると、自分でも論点を見失います。まず結論を一文で述べ、その後に状況と行動を説明し、最後に結果と学びを置くと安心です。人の面接官の相づちがないと話しにくい方は、録音アプリへ60秒、90秒、2分の三通りで話す練習をしてみましょう。滑らかさではなく、主語が「チーム」だけになっていないか、自分の判断が見えるかを確認するのがコツです。
AI面接で伝える経験をCareer Central AIで棚卸しする
✅ SHaiNのAI面接で聞かれる質問は、丸暗記せず4種類で準備する
「SHaiNのAI面接では何を聞かれるのか」と検索したくなる方も多いでしょう。ただし、質問項目や評価の使い方は企業、職種、契約プランによって異なります。ネット上の質問例を丸暗記しても、追加質問で理由や具体例を尋ねられたときに、回答のつながりが崩れるおそれがあります。
準備すべきなのは、質問文そのものではなく、どの角度から聞かれても取り出せる「経験の材料」です。20代後半の法人営業であれば、少なくとも次の四つを用意しておくと、多くの行動質問へ対応しやすくなります。
成果を出した経験
売上や受注額だけでなく、担当顧客数、提案から受注までの期間、継続率、業務時間の短縮なども成果です。外部環境やチームの支援も説明し、「全部自分の力で達成した」という話にしないほうが信頼されやすいでしょう。
うまくいかなかった経験
失敗の大きさを競う必要はありません。見込み判断が甘かった、関係者への共有が遅れた、といった出来事から、どのように原因を捉え、次の行動を変えたかを話します。責任を他人だけに置かないことが大切です。
周囲と調整した経験
営業は一人で完結しません。顧客、上司、開発、カスタマーサクセス、法務など、利害の異なる相手とどう合意を作ったかを整理してください。「コミュニケーションを取りました」ではなく、相手ごとに情報量や伝える順番をどう変えたかまで言えると具体的です。
自分から改善した経験
指示された業務だけでなく、課題を発見して仕組みを変えた例を一つ用意します。提案書のテンプレート化、商談記録の入力ルール改善、失注案件の振り返り会など、小さな改善でも構いません。自分の権限内で始め、周囲をどう巻き込んだかがポイントになります。
💡 想定質問を100個集めるより、異なる性質の経験を6〜8件用意し、それぞれを複数の質問へ結び付けられる状態にするほうが実戦的です。
📄 AI面接の注意点は、通信環境・期限・個人情報の3つ

内容の準備ができても、端末や通信の問題で集中が途切れてはもったいありません。SHaiNの受検者向けFAQによると、スマートフォン、タブレット、パソコンが利用できますが、端末やOSによってはパソコンで実施できない場合があり、スマートフォンまたはタブレットが推奨されています。Safari、Chrome、Edgeは安定した最新版が推奨され、開始時にはカメラとマイクの動作確認があります。
標準プランの所要時間は公式サービスページで30〜40分の目安とされていますが、質問項目やプランによって変わります。受検案内に書かれた所要時間を優先し、直後に予定を詰め込まないほうがよいでしょう。深夜でも受けられる点は便利ですが、仕事で疲れた状態より、声を出しても周囲を気にせず、集中できる時間帯を選ぶのがおすすめです。
- ✓ 受検期限と、開始時刻ではなく完了時刻まで確認した
- ✓ 推奨ブラウザを最新版に更新した
- ✓ カメラ、マイク、充電、通信速度を事前に試した
- ✓ 通知が入らない設定にし、不要なアプリやタブを閉じた
- ✓ 顔が暗くならず、生活音が入りにくい場所を確保した
- ✓ エラー時の問い合わせ先と受検IDを控えた
- ✓ 職務経歴書と求人票を見直したが、回答を読み上げる状態にはしていない
個人情報についても、案内画面を流し読みしないようにしましょう。AI面接では回答のテキストだけでなく、動画や音声を扱う場合があります。厚生労働省の委託調査「AI・メタバースのHR領域での利用における労働者保護に関する調査」では、AIができることと人間が判断すべきことの線引き、評価の説明可能性、録画データの扱い、人間による最終判断などが論点として整理されています。
これは、AI面接を受けること自体が危険だという意味ではありません。応募者としては、同意画面やプライバシー説明を読み、「誰がデータを管理するのか」「何の目的で使うのか」「どのくらい保存されるのか」「採用以外の配置や育成にも使うのか」「削除や問い合わせの窓口はどこか」を確認する姿勢が大切です。分からない点を丁寧に尋ねることは、選考への非協力ではありません。
💡 技術トラブルやデータ利用への疑問は、一人で抱え込まず、案内に記載された応募企業またはサービスの窓口へ期限前に連絡しましょう。
📄 AI面接の使われ方から、応募企業の選考姿勢を見極める
AI面接を導入しているという事実だけで、「先進的な会社」「人を大切にしない会社」のどちらかに決めつけることはできません。大切なのは、企業が選考プロセスのどこにAIを置き、結果を誰がどう使うかです。
たとえば、日程調整の難しさを減らす目的で一次面接に使い、その後に現場社員との十分な対話を設ける企業も考えられます。反対に、評価基準や問い合わせ先が不明確なまま、候補者へ一方的に受検を求める運用もあり得るでしょう。これは一般的な可能性についての分析であり、SHaiN導入企業が特定の運用をしていると断定するものではありません。
厚生労働省は公正な採用選考の基本として、応募者の基本的人権を尊重し、職務に必要な適性・能力に基づいて選考することを示しています。また、面接ではあらかじめ質問項目や評価基準を決め、適性・能力と関係のない事項を尋ねないよう求めています。AIを使うかどうかにかかわらず、応募者が企業の選考姿勢を見る基準になります。
一次面接後や人の面接官と話せる段階では、次のように質問すると角が立ちにくく、企業研究にもつながります。
- ✓ AI面接の結果は、選考全体の中でどのように参照されますか
- ✓ 次の対人面接では、どのような点を詳しく確認されますか
- ✓ 応募職種で特に重視される行動や能力を教えていただけますか
- ✓ 入社後の配置・育成に面接データを利用することはありますか
- ✓ 録画・録音データの利用目的と保存期間はどこで確認できますか
- ✓ 端末や障害の事情で受検が難しい場合、代替手段はありますか
回答が具体的で、AIと人の役割分担を説明してもらえるなら、選考設計を理解する手掛かりになります。一方、応募者の質問に答える窓口がない、求人票と異なる情報を面接で急に求められる、といった場合は、入社後の情報共有や意思決定のあり方も含めて慎重に確認したほうがよいでしょう。
📄 AI面接対策を1週間で進める実践スケジュール

受検案内が来てから時間がない方は、完璧な回答集を作ろうとしなくて大丈夫です。次の順番なら、平日の仕事と並行しながら準備できます。
| タイミング | 行うこと | 完成させるもの |
|---|---|---|
| 7〜6日前 | 求人票と企業サイトを読み、職務の課題を仮説化する | 求められる能力3点 |
| 5〜4日前 | 成果、失敗、調整、改善の経験を書き出す | 経験メモ6〜8件 |
| 3日前 | 経験を状況・課題・行動・結果・学びに分ける | 各経験の要点 |
| 2日前 | スマートフォンで録画し、伝わりにくい箇所を修正する | 60〜120秒の回答 |
| 前日 | 端末、ブラウザ、通信、場所、期限を確認する | 受検環境 |
| 当日 | 求人票と要点だけを見直し、時間に余裕を持って開始する | 落ち着いて話せる状態 |
録画を見返すとき、表情や声の印象だけを気にしすぎないでください。まずは「質問に答えているか」「最初の一文で結論が分かるか」「自分の行動とチームの成果を区別できているか」「数字の根拠を説明できるか」を確認します。服装や背景は応募企業の案内を優先し、指定がなければ対人のオンライン面接と同程度に整えれば十分です。
生成AIを使って練習する場合は、実在する顧客名、未公開の売上、社内資料などを入力しないよう注意しましょう。「法人営業の中途採用を想定し、私の回答に対して事実関係を深掘りする質問を一つずつ出してください」と頼み、回答の矛盾を見つける練習に使う方法があります。ただし、生成された模範回答をそのまま覚えると、自分の経験とのずれが生じます。最後は必ず自分の言葉へ戻してください。
💡 準備のゴールは、よどみなく話すことではなく、応募先で再現できる自分の強みを、根拠付きで説明できる状態です。
📄 AI面接が終わった後こそ、次の対人面接へ材料を残す
受検後は、聞かれた質問と答えにくかった箇所を、守秘義務や利用規約に反しない範囲で自分用にメモしておきましょう。回答の録音・転載は禁止されている場合もあるため、受検中に勝手に記録するのではなく、終了後に記憶から要点を残す程度にします。
特に、「行動の理由をうまく話せなかった」「数値を思い出せなかった」「転職理由と志望動機の接続が弱かった」という箇所は、次の対人面接で深掘りされる可能性を想定して補強します。AI面接で完璧に答えられなかったからといって、自己判断で不採用と決めつける必要はありません。企業ごとに選考での使い方は異なるため、案内された次の連絡を待ちましょう。
SHaiNの1,100社突破は、転職者に「機械向けの特別な人格」を作る必要が生じたというニュースではありません。経験を構造化し、職務に必要な能力とのつながりを説明する力が、これまで以上に重要になったと捉えるのが現実的です。AI面接の便利さだけで応募先を評価せず、質問の妥当性、データの扱い、その後に人と対話できる機会まで見て、自分に合う企業か判断してください。
Career Central AIで応募先に合う面接準備を始める
参照元(2026年9月9日16時50分、Asia/Tokyo確認)
🔗 出典・参照リンク
- 株式会社タレントアンドアセスメント「導入企業1,100社突破 次世代版対話型AI面接サービスSHaiN」(2026年9月9日11時公開)
- SHaiN公式サービスページ(機能、受検方法、所要時間の確認)
- SHaiN受検者向けFAQ(対応端末、推奨ブラウザ、通信・エラー対応の確認)
- 厚生労働省委託調査「AI・メタバースのHR領域での利用における労働者保護に関する調査」(AI評価、人間による判断、説明可能性等の論点確認)
- 厚生労働省「公正な採用選考の基本」(適性・能力に基づく選考原則の確認)

